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美容鍼とは~仕組みや効果、リスクなど~

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目次

美容鍼灸の原点

今や日本でも人気の

美容鍼。

そもそも、美容鍼灸自体は、

いつごろから行われていたのでしょう?

日本では約10年前ほどから

テレビなどで取りあげられるようになり、

一般的な美容法として

知られるようになってきたのは

ここ5~6年ぐらいでしょうか。

中国では一般の病院内でも

美容鍼灸科と呼ばれるものが設置されるほど、

人気度・認知度ともに高い美容法です。

今では、

欧米の健康・美容感度の高い方たちの間でも、

自然で健康的な美容法として確立されています。

鍼灸を東洋医学的に、

しかも簡単に表すとなると、

「気血の循環を改善し、

全身の調子を整える東洋医学の代表的物理療法」

ということになります。

気血とは

人体のエネルギーや血液に似たものの事で、

生命の源とされるものです。

東洋医学では、

身体の基本となるものは

「気」と「血」であり、

この両方が体をめぐり、

バランスをとる事で

生命の活動が成り立っていると考えています。

美容鍼灸の施術法の原点は、

東洋医学のこの「気血」のバランスを整えるものです。

美容鍼灸の歴史

美容鍼灸の根本を理解したところで、

美容鍼灸の歴史について

紐解いていきましょう。

鍼灸の体系の源流は歴史が深く、

始まりは20万年前ほどから

行われていたとされています。

中国では20万年前から

焼いた石などで局所を温め、

1万年前には膿を出すときなどに、

動物の骨を加工した針を

使用されていたといった歴史があります。

日本へ本格的に

美容目的で普及していったのは、

6世紀後半、

ちょうど聖徳太子が

政治の舞台で活躍していたとされる時期に、

大陸から伝わり日本各地に広がっていきました。

しかし明治初年、法律によって

日本の医療は西洋医学にかわり、

鍼灸は民間療法と位置づけられました。

そして、第二次世界大戦の後、

鍼灸が医療類似行為として免許制になり、

1970年に

「按摩マッサージ指圧師、鍼師、

灸師に関する法律」として改正されてから、

現在のような医療体系になりました。

現在は、高校卒業後、

鍼灸医学を教える専門学校や短大、

大学を卒業し、

国家試験の受験資格を取得してから、

国家試験に合格する事が

鍼灸師を名乗る条件となっています。

鍼灸師は国家資格を持っているので

安心して治療を受ける事が出来ます。

【お肌の役割・美容鍼の仕組み】

東洋医学的には気血の流れ、

バランスを整えることが

美容鍼の根本と考えますが、

では、実際には

どのようなものなのかをお話していきます。

美容鍼の仕組みをお話する前に、

まずはお肌の役割を知っておきましょう。

お肌は上から

「表皮層・真皮層・皮下組織」と

三層から成り立っています。

  • 表皮層…

    お肌のターンオーバー、バリア機能を保つなど。

    セラミドが存在する場所。

  • 真皮層…

    お肌の弾力、表皮を支える役目。

    コラーゲン、エラスチン、

    ヒアルロン酸などが存在する。

  • 皮下組織…

    表皮層、真皮層を支える。

    主に皮下脂肪で、血管が通っており、

    皮膚に栄養を送り、老廃物を運ぶ。

ざっくりとですが、

お肌の各層ではこのようなことが行われてます。

美容鍼をすることにより、

各層の働きをより活発にし、

あるいはそこに存在するお肌には

欠かすことのできない物質の生成を

促進するという現象が起こります。

では、

美容鍼の仕組みについて見ていきましょう。

美容鍼は美容整形のように

お肌やお顔のパーツを

新しい物、違う形に

作り替えるようなものではありません。

ヒトに備わっている、

自然治癒力、自己免疫システムを活性化する、

つまり、

その方がもともとお持ちのチカラを

最大限に引き出すお手伝いをする施術です。

無理なく、負担を少なく、

自然な健康美を目的とするのが美容鍼です。

お顔に鍼をすると、

こんなことが身体の中で起こり始めます。

鍼をする、ということは

「小さいキズをつける」、ということ。

鍼によって小さいキズを付けることで、

先ほど説明した肌の役割を

より活発にすることができます。

線維芽細胞(お肌の元になる細胞のこと)を

活性化させ、

コラーゲンやエラスチン、

ヒアルロン酸などの生成を活発にします。

またサイトカイン

(細胞から分泌されるたんぱく質。

免疫系に関わる)の活性化により

血液やリンパ液の流れも促進されます。

具体的には…

  • リフトアップ…

    経穴刺激と鍼の生理的効果で

    むくみやたるみを引き上げる

  • シワの改善…

    皮膚表面に柔軟性を与え、

    コラーゲンなどの生成を活発化する。

  • 歪みを整える…

    経穴刺激、筋肉への刺激による。

  • キビ・吹き出物の改善…

    新陳代謝(ターンオーバー)の

    促進、体質改善による。

  • シミの改善…

    新陳代謝の促進を促す。

  • むくみの改善…

    鍼の生理的効果による、

    リンパの流れ、血流の促進。

  • 肌荒れ・乾燥…

    肌のバリア機能の向上、

    皮膚温度を上げることによる。

などさまざまな効果が挙げられます。

【コラーゲンを増やしたいなら鍼】

特にコラーゲンやエラスチン、

ヒアルロン酸などは

基礎化粧品などにも

広く含まれている物質です。

日々のお手入れには

欠かせない存在になっている方も

多いのではないでしょうか。

ですが、コラーゲンやエラスチン、

ヒアルロン酸は先ほど説明した通り、

皮膚の二層目、真皮層に

存在している物質です。

これらの物質を真皮層に届かせるには

分子を相当小さくしなければなりません。

残念ながら、一般的に販売されている

化粧品に含まれている分子サイズでは、

ほとんどが真皮層までは

届かないと考えられています。

また、食べ物として

コラーゲンやエラスチン、

ヒアルロン酸を摂っても、

体に吸収されるときには

アミノ酸として吸収されますので、

こちらも残念ながらコラーゲンとしては

真皮層までは届かないと言ってよいでしょう。

コラーゲンやエラスチン、

ヒアルロン酸を増やしたいなら、

方法は二つです。

一つは

美容整形クリニックなどで直接注射する。

もう一つは

美容鍼で自分で作る力を強くする。

注射も今すぐなんとかしたい方には

よいと思いますが、

自分で作り出した物質のほうが

定着がよく、より安全な方法です。

注射に抵抗のある方、

より自然で安全な方法をお探しの方は

美容鍼をお勧めいたします。

【美容鍼のリスク】

鍼のリスクは簡単に分けると二つです。

一つは好転反応、

もう一つは内出血(青あざ)です。

好転反応とは、

術後に起こる一過性の症状のことです。

鍼のキズを身体が治そうとしてる時の

過程の症状であり、

頻繁に発生するものではありませんが、

次のような条件に当てはまる方は、

起こりやすくなると言えます。

  • 鍼が初めてだった。
  • 筋力が少ない、貧血気味だった。
  • 体力が落ちていた、ダイエットをしていた。
  • 空腹、睡眠不足、体調がイマイチだった。

などに該当する方は、注意が必要です。

症状としては、

頭痛、吐き気、眠気、重だるさ、

のぼせなどが多いですが、

どれもゆっくりお休みいただくと

治まるものです。

ご不安な方は、施術前、

担当の鍼灸師にご相談ください。

もう一つは内出血、青あざですが、

こちらも頻繁に起こるものではありません。

本来、健康な血管は弾力があり、

美容鍼で使うほどの細さの鍼では

あまり刺さることはありません。

しかし、体調や体質により

血管の弾力が失われ、

硬くなっていると、

鍼が刺さりやすくなってしまいます。

血管に鍼が刺さることも、

それによって出血することも

全く問題ではありません。

むしろ滞っているところの血液は

出てしまった方が

より健康な血管になりますが、

出血した血液がうまく表に出てこずに、

皮下に広がってしまうと、

内出血、青あざのように

なってしまうことがあります。

ここでお伝えしたいことは、

万が一青あざができてしまっても、

絶対に消えるということです。

サイズも2~3ミリ程度で、

色もぶつけたときに現れるような

ひどい色にはなりません。

もちろん、すべての鍼灸師が

細心の注意を払って

施術にあたっていると思いますが、

皮膚の上からすべての血管を避けて鍼を打つ、

内出血を100%防ぐということは

どんな名人にもできません。

先ほどもお伝えしたように、

そんなに頻繁に起こることではありませんが、

「絶対に内出血はイヤ!」と

言われてしまうと鍼は打てなくなります。

大切なイベントなどが控えていて、

どうしても困る、という方は

事前に鍼灸師にお申し出ください。

また、刺鍼中にお話されたり、

動かれたりされると

内出血のリスクは高くなります。

お顔の鍼を打っている間は、

鍼灸師も必要最低限の

お声がけのみいたします。

皆さんも、お顔に鍼が入っている間は

なるべくお顔の筋肉を動かさないようにして、

ゆったりとお休みください。

【鍼は痛くないの?】

さて、鍼について

いろいろお話をしてきましたが、

やはり、気になってくるのは

「痛くないのか?」だと思います。

結論から言いますと、

「痛いかも…」と皆さんが

心配なさっていらっしゃるほどには

全然痛くないと思います。

痛くないのには理由があります。

鍼灸治療で身体に用いられる鍼の直径は

わずか0.16mm~0.20mm前後

(髪の毛とほぼ同程度)、

お顔に使う鍼は

もっと細く0.12mmです。

さらに先端部分は

その1/10の細さです。

インフルエンザの予防注射の針の直径が

0.45mmほどなので、

約1/3程度の細さですね。

さらに、現在当院で使っている鍼は、

できるだけ切皮痛(刺さるときの痛み)を

抑えるよう工夫開発されています。

「痛いのかな…」と

ためらっていらっしゃる方は、

ぜひ一度思い切って試してみてくださいね。

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