こんにちは。
皆さんは「更年期」ってなに?と聞かれて、答えられるでしょうか?
最近は「プレ更年期」という言葉も良く聞くようになり、
結局のところどのような状態でいつから始まるのか・・・
あやふやな方もいると思います。
そこで今回の記事は更年期について書いていきたいと思います。
【更年期とは】
閉経の前後5年に現れるとされています。
また無月経の状態が、1年間続いた時が閉経です。
閉経は50歳前後と言われておりますので個人差はありますが、
年齢にするとだいたい45歳~55歳の時期です。
その頃になると、
卵巣の機能が低下しエストロゲンという
女性ホルモンの分泌が急激に減少します。
ホルモンバランスが崩れることで
様々な更年期症状とよばれる身体の変化が起きていきます。
女性ホルモンは、自律神経や情動中枢とも深くかかわっているため、
さまざまな症状を引き起こすのです。
そのなかでも更年期症状で代表的なものは主に3つ。
①ほてり・動悸息切れなどの自律神経症状
②頭痛・肩こり・腰痛などの身体の痛み
③イライラ・不安感などの精神的な症状
これらを更年期症状といい、
現れることによって生活や仕事に支障が出ることを更年期障害といいます。
治療としては
ホルモン補充療法、漢方、精神安定剤や睡眠導入剤なども併用して行う場合もあります。
もちろん鍼治療も効果が期待できますので、
上記の3つの症状が当てはまるという方はご相談ください。
【東洋医学で見る更年期】
さて、次は東洋医学的には、
更年期のころをどのように捉えられているのか見ていきましょう。
すべての鍼灸師にとってのバイブルとも言うべき
「黄帝内経」によると、女性は7年周期、男性は8年周期で生命力が大きく変化し、
女性は28歳でピークを迎え、49歳で閉経、
男性は32歳がピーク、56歳で生殖能力を喪失するとあります。
(この辺の件は某有名薬用酒のCMでご存知の方も多いかもしれませんね。)
ちなみに、女性28歳、男性32歳のカップルの赤ちゃんは最強の
「先天の精」を持って生まれると言われています。
女性49歳、男性56歳を過ぎると、一気に生命力が低下し、
老化現象が顕著に現われるようになっていきます。
ちょうど、現代で言うところの更年期真っただ中な年齢ですね。
東洋医学でいう「生命力」とは、「精」のことです。
「精」には両親から受け継いだ「先天の精」と誕生後、
飲食物から得ていく「後天の精」があると言いました。
急激に現われる老化現象(更年期症状以外にも、薄毛や美容面など)
を少しでも緩やかにするためには、
この「後天の精」を増やし、「腎」の働きを活発にしていくことです。
後天の精を増やすには?
では、「後天の精」はどうやって増やせば良いのでしょうか?
「腎虚症」の原因は加齢、病気以外は生活の不摂生、暴飲暴食、房室過多、ストレス、冷え、疲労です。
ですから、解決策はズバリ「規則正しい生活」「保温」しかありません。
食事は三食バランス良く決まった時間に摂り、もちろん腹八分目。
適度な運動、夜はちゃんと入浴、しっかり睡眠、疲労も溜めない、ストレスゼロ!
「それが出来たら苦労しない」
という方、多いのではないでしょうか。
規則正しい生活が難しい方は次のことを心がけて下さい
- 食事はなるべく良く噛み、時間があればゆっくり。
- 深呼吸を思い出した時にしっかり3回ぐらい。
- シャワー派の人は夜ではなく朝に。(でも、たまには夜ゆっくり入浴してね)
- 睡眠は短くても、電気はちゃんと消して。真っ暗では眠れない方はアイマスクがおすすめ。
いかがでしょう。
これぐらいなら挑戦できるのではないでしょうか?
次に、後天の精を充実させる食事
上記のことが出来ている方は「後天の精」の原料となる食事を充実させて下さい。
「腎虚症」の方におすすめな食材は
- いわし、納豆、味噌、ちゃんと火を通した肉類、紅茶など
- わかめ、ひじき、醤油など
- のり、もずく、塩、昆布、かになど
1は身体を温める効果もあるので特におすすめです。
3は腎虚症の方の身体を冷やす働きも持っているので、摂りすぎには注意です。
これからの季節は暴飲暴食、睡眠不足、過労、冷え…と
「腎虚症」に陥りやすい条件がそろっています。
誰にでもいつかは訪れる老化ですが、年相応、
出来ることなら少しでも遅らせたいというのが、
ほとんどの方の本心ではないでしょうか。
寿命は伸びても20代が長く続くわけではなく、
「おばあちゃん」でいる時間が長くなっただけ。
それなら、キレイでかわいくて、元気な「おばあちゃん」になりたいですよね。
(最近では、認知症やアルツハイマー病に対して予防・症状緩和の鍼灸治療(補腎)の
有効性について報告もあり、さらに研究が進んでいます)
素敵に年を重ねるために、
この冬からは食事・睡眠・生活習慣+冷え対策を見直して、
身体の内側からアンチエイジングしましょう。
【近年良く耳にするプレ更年期とは】
ここからは、1番初めに書いたプレ更年期についてです。
更年期にはまだ早い…
でも症状が似ているなと思っている方はぜひ読んでみてください。
こちらは最近になって使われるようになった言葉だそうで、
ザックリまとめると“30代後半(20代後半と書いてあるものもあります)
から40代前半の女性に起こる「更年期障害に似た症状」”のことを指すそうです。
調べたところ、まず出てきたのはチェックリスト。
- 月経周期が短くなった、経血量が減った。
- 動悸、息切れがする。
- 首から上がほてる、汗をかく。
- 手足が冷えやすい。
- 疲れやすい、意欲の低下。
- イライラしたり、憂鬱になったり、気分の浮き沈みが激しい。
などなど、一見「更年期障害」と思われるような
症状が体調面から精神面まで長いリストで現われました。
確かに少しずつ身体の変化を感じ始めるお年頃。
結構当てはまることが多い内容でドキッとしますね。
・プレ更年期障害の原因
では、この「プレ更年期障害」の原因は何なのでしょうか?
「もしかして本当に更年期障害が早く来てしまったの?!」と心配になる方も
いらっしゃるかもしれません。実は私も少し心配していました。
「更年期障害」も「プレ更年期障害」も女性ホルモンの変化が直接的な原因です。
しかし、その女性ホルモンの変化を引き起こす根本的な原因が違います。
「更年期障害」の根本的な原因が、卵巣機能の低下による女性ホルモンの低下・不安定化であるのに対して、
「プレ更年期障害」は 、病気以外はストレスによる自律神経失調症、あるいは自律神経失調症のような状態で、そのために女性ホルモンに影響が現われている場合がほとんどだそうです。ここで言う「ストレス」とは精神的なことだけではありません。
- 不規則な食事、生活
- 睡眠不足
- 冷え
- 疲労の蓄積
なども身体に直接的にダメージを与えるストレスです。
特に女性に特有のお悩みにはすべてに共通して「冷え」が悪化の原因となって
いることが多いので心当たりのある方はすぐにでも対策が必要です。
もちろん、「プレ更年期」世代も卵巣機能は少しずつ低下してくるお年頃ですが、
今までの話をみるところ、「更年期障害」は自然の流れ、
「プレ更年期障害」は自分の不摂生という感じですね。
言い換えれば、「プレ更年期障害」は自分でコントロールしやすいということです。
女性ホルモンは女性を女性らしく、また心身ともに健康でいるために必要なもの。
分泌バランスが崩れると「プレ更年期」はもちろん、
月経周期が乱れ排卵しにくい身体になり、女性不妊の原因にもなります。
30代後半~40代前半なんて、まだまだこれから。
恋愛も結婚も妊娠も出来る年齢です。
「プレ更年期」なんて言っている場合ではありませんね。
女性は誰しもいずれやってくる本物の「更年期」を乗り越え、
女性の完成形となるわけです。
健康で魅力ある女性の完成形を目指し、今から身体の声に耳を
傾け、しっかり対策しましょう!