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◇その時間にしていること間違っているかも!? 時間ごとの養生◇

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今回は時間・季節ついてのお話です。

私たちが日々感じているこの季節も東洋医学での治療に深く関わり合っています。

鍼灸の先生によっては時間・季節ごとに治療法を変えるなど、とても重要視されています。

ではまず、どのように時間・季節と関係しているのかご説明していきますね。

地球は自転しているので、夜と昼が存在します。

もう少し時間軸を広げてみましょう。

私たちが住む地球は大きく分けて2つに分類できます。

赤道を基準に北半球、南半球があり、日本には夏至と冬至がありますね。

さらにそれを二等分すると春夏秋冬 すなわち四季が現れます。

その季節の移行時に『土用』、

いわゆる『ウナギを食べて、精を付ける日』があります。これで5つの季節ですね。

東洋医学をご存知の方なら5つの分類分けがあり、

それを『五行論』と呼ぶことをご存知の方も少なくないと思います。

この五行論は、季節は言うまでもなく、色・味覚・時間・方角・音・感情・匂い 

様々なものを5つに分類し、それぞれを治療に結び付けます。

それとは別にWHO(世界保健機構)により

標準化されたツボは14種類ほどに分類することが可能です。

それらは身体中を路線図のように巡っています。

そのうちの12つは季節や時間に関わりを持つと言われています。

東洋医学において、人間は自然の中の1つであり、

その自然に起こる現象は人間の身体の中で同じように起こりえると説いています。

下記は時間・二十四節気、その時刻/季節に対応する五臓六腑です。

その時刻、季節によって、私たちの身体は変化し、

どのようにその時刻・時間に適応していくことが自然と調和して生きていくことができるかを示したものです。

下記を見るとおばあちゃんの知恵袋なんて最近では言われていますが、

私たちの先人たちは季節・時間の移ろいの中で、

いかに生活を豊かに過ごす術(すべ)をすでに知っていたのではないかと思わせる指南書ですよね。

さらに自分がどの時間、季節に出生したかによって、

本来持っている性格や体質を形成するとも言われています。

【1〜3時(丑の刻)】

【1月頃 小寒・大寒】

肝が旺盛となる時です。この時間はしっかりと睡眠をとることが必要です。

肝は『血』と深く関わり合っており、夜になると日中活動して使われていた

『血』が身体の内へと戻ってくると考えられています。そこで、日中に使われた『血』を浄化し、

また全身に送り出すことをしています。

この時間にしっかりと睡眠をとることは血の巡りもよくなるため、

睡眠は必要です。睡眠不足になると、翌日に浄化されていない

『血』が身体を巡ることになるので、病気になりやすいと考えられています。

またこの時間は肝臓が働くと考えられている為、

肝疾患による漢方や抗がん剤などもこの時間に投与されています。

このように時間によって投薬を考慮するなど、

時間治療学(時間薬理学)といった形で認知されてきております。

丑と寅の刻の間を鬼門と呼びます。

時刻は3時ごろ。ちょうど1〜3時(丑の刻)と3〜5時(寅の刻)の間です。

よく幼少のころに『幽霊を見た』だなんて、話していた思い出はありませんか?

これも実はこの五行論からのお話になるのです。

この時間は生と死が通じる方角と時間であり、

古来よりこの時刻を神秘的な意味合いで語り継がれてきたからこそ、

そのような言い伝えが残っているのでしょうね。

【3〜5時(寅の刻)】

【2月頃 立春・雨水】

肺が旺盛となる時です。一日の始まりの時間とされています。

丑の刻でしっかりと浄化された血と気が全身に巡ります。

肺は『皮膚』と深い関わりがあるため、

中国では朝から新鮮な空気を肺に入れるために体操(導引)を行ったりしていますね。

【5〜7時(卯の刻)】

【3月頃 啓蟄・春分】

大腸が旺盛となる時です。この時刻に排便、排尿をすることはとても大事です。

同じ時刻に便意をもようするというのも大腸が正常に働いている証拠です。

毎日のお通じが無い方は

決まった時間にお手洗いに行く習慣をつけましょう。我慢することも大敵です。

【7〜9時(辰の刻)】 

【4月頃 清明・穀雨】

胃が旺盛となるときです。この時間帯に食事をするとスムーズですので、オススメします。

【9〜 11 時(巳の刻)】

【5月頃 立夏・小満】

脾が旺盛となるときです。胃と脾は東洋医学では表裏の関係とされています。

胃は脾とともに消化・吸収をします。脾は飲食物を消化・吸収すると

それらを気・血・津液(気:エネルギー 血:血液 津液:身体の中の水分)とし、

全身に送ることをします。脾が正常に働くことで、エネルギーである気・血・津液が作られ、

健やかに過ごすことができるのです。

そのため脾が旺盛ということはエネルギーが満ちていること指し、

心身ともに充実しているといえます。

一番効率的に過ごせるので、この時間に物事を済ませると上手くいきますよ。

【11 〜 13 時(午の刻)】

【6月頃 芒種・夏至】

心が旺盛なときです。心は精神活動をコントロールするため、

この時間にひとやすみ休みすることが理想です。

さらにこの時間に陽から陰へと変化するときなので、

目を閉じて心穏やかにするだけでも気の流れが整います。昼寝タイムがあるといいですね。

【13 〜 15 時(未の刻)】

【7月頃 小暑・大暑】

小腸が旺盛なときです。胃から送られてくる栄養の吸収が活発になるときです。

ダイエットを考えている方はこの時間にあまりにものんびりと過ごしすぎないよう注意してください。

太りやすくなりますよ。

【15 〜 17 時(申の刻)】

【8月頃 立秋・処暑】

膀胱が旺盛なときです。尿は身体の熱を保持します。排尿するということは身体の熱を出すとも考えられます。一日の中で一番体温が高い時です。体温だけでなく、呼吸、血圧、心拍などの数値がもっとも高くなると言える時間帯でもあります。そのため、お手洗いは意識的に行きましょう。

この時間に頭の付け根(後頭部)の痛みを感じることは、臓腑の膀胱が弱っていることを示唆しています。この膀胱は背部を巡っているため、後頭部の痛みを感じるのです。

【17 〜 19 時(酉の刻)】

【9月頃 白露・秋分】

腎が旺盛のときです。腎は腎臓だけでなく、ホルモン・生殖器など多くと関わりがあります。

生命の源のような臓腑なので、この時間にリラックスできるといいですね。

【19 〜 21 時(戌の刻)】

【10月頃 寒露・霜降】

心包が旺盛なときです。心の外側の組織です。

心に代わって『邪』を受けて心を守る役割を果たしています。

心が精神活動を行う臓腑のため、

その心を保護する心包の時間は心穏やかに過ごすことをオススメします。

中医曰く、心包は『陰陽』でいうのであれば『陰』であり、

男女で分けるのであれば、女性が『陰』にあたります。

陰陽のバランス(自律神経のバランス)を整えることが不妊の治療にも良いと言われ、

この時間の性交がもっとも妊娠しやすい時間だとも言われました。

【21 〜 23 時(亥の刻)】

【11月頃 立冬・小雪】

三焦が旺盛なときです。これは独特なネーミングですね。

津液(体内の水分のこと)・気の巡りをコントロールする臓腑を三焦だと考えてください。

これらの巡りが悪くなることで、未病と呼ばれる症状が出現し始めるのです。

【23 〜1時(子の刻)】

【12月頃 大雪・冬至】

胆が旺盛なときです。この時刻から陰から陽へと変化します。

胆は『決断』にかかわる臓腑です。胆の気が落ちることにより、

決断力がなくなり、優柔不断な性格になります。

またこの時間はとても深い眠りに入るときでもあります。

ゆっくりと睡眠をとることで、睡眠中に分泌されるお肌に良いとされるホルモンも放出され、

翌日も活動的かつ女性らしく一日を過ごせるようになります。

さて、いかがでしょうか?

携帯、メールなどのツールにより時間に追い立てられて活動することが多くなった私たちだからこそ

、今一度 原点に戻って、その時刻に本来すべき事を見直すこともいいかもしれませんね。

時間はもちろんのこと、季節によっても治療の方法はさまざまです。

興味を持った方は、是非、鍼灸治療を始めてはいかがでしょうか。

今回は時間に焦点をあて、その時間に対応する臓腑の作用を説明しました。

別の機会に二十四節気での養生をご紹介しますね。

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