『書物は死物である。これを生きた人体によって読め』
故人、灸の名士が残した言葉です。
そんな古典をこよなく愛したと思われる灸の名士による実体験をご紹介いたします。
鍼灸は臨床医術として発展
鍼灸は東洋医学の代表的な治療方法です。
他に湯液・導引など、さまざまです。
これは医学というよりも臨床医術(実際に治療して、どう変化したか)として発展し、受け継がれてきたという治療法だと名士たちは考えています。
そのため鍼灸を訝しげにみる方がたり、いかにも『こじつけ論』のように言われることが少なくないことも事実です。
しかし、実際に鍼灸治療すると症状が改善・治癒することは少なくありません。
とても残念なところではありますが、東洋医学の古典の中に埋もれている医学的真実が明らかになるには、まだ少し時間を有するように感じるため『こじつけ論』のように思う方もいるのでしょうね。
古典と言われている中でも、素問・霊枢・鍼灸甲乙経・外臺秘要・千金方・鍼灸聚英・資生経・類経・十四経発揮・鍼灸大成・十四経発揮鈔・経穴彙解・灸法口訣指南・鍼灸抜粋大成・鍼灸説約など数多くあり、鍼灸師でありながら、私はこれらすべてを手にとったことがないことが事実です。
灸名人と言われた鍼灸師による実話
鍼灸は古く中国から伝来してきており、書物原本は漢文で作られています。
多くの日本の鍼灸師により和訳、意訳され、昨今にいたるため、訳された方により、解釈が異なるともいわれています。
どの程度お灸により症状が改善したかということが気になる点だと思います。
先程挙げた古典を翻訳してくださっている名士たちが沢山の実話を残していますので、これから2つのケースをご紹介していきます。
今回ご紹介するお話は灸名人と言われた鍼灸師による実話です。
少し昔のお話になるということは念頭において読まれることをおススメします。
ケース1:数日後に結婚式を控えた25歳女性
この女性は、ヘルニアになり(現代で言う)整形外科の診察・治療を受けたのち、完治したので、治療を終了したとのことでした。
日時が経つにつれてまた症状の腰痛が酷くなったそうです。
整形外科にて牽引・コルセットなどで治療を開始するも一向に改善する兆しが見られなかったようです。
そのためこの女性が鍼治療を受けるキッカケとなりました。
数日間は毎日鍼灸治療を続けてもらい、その後は2~3日おきに治療を1か月間続けていくと、痛みがなくなったようです。
当初、初来院した際は気の毒なほどの吹き出物にも悩んできました。
ところが腰痛の治療をしていたのにも関わらず、腰部の症状が治まるころには、肌はキレイになっていたとのことです。
この女性は旅館で勤務している旅館の常連さんに『キレイになったね』と言われるまでになり、本人もたいそう喜んだとのことです。
ケース2:19歳のバスガール
左膝の痛みで鍼灸院に来院され、鍼灸治療を開始しました。
仕事柄、頻繁に来院できないので、ホームケアとして1カ月の間ご自身でお灸をすえることをお願いしたところ、膝の痛みがほとんどなくなったとのことです。
この女性はお灸の効果にすっかり信頼をよせ、次のホームケアはニキビのあるところにお灸をすえるように伝え、忠実にお灸をすえたそうです。
すると、ニキビ顔はすっかり良くなり、ご本人は仕事に力が入ったようだと教えてくれたそうです。
皮膚は健康の鏡
皮膚は健康の鏡とも言われ、エステなどでは『皮脳同根』とも表現されるほどお肌のトラブルは精神的または肉体的なストレスからくるものであると、多方面から考えられています。
健康の人の皮膚はツヤがあり、生き生きとして美しいですよね。
一目見ただけで、それを直感的に察することは、本能的に皆さんもできるのではないでしょうか?
身体に不調があると、皮膚の色はくすみ・光沢(ツヤ)がなくなります。
心のわだかまりがあると、皮膚のツヤが落ち、お肌のハリがなくなるためたるみ・小じわができます。
心を平和に保つこと(感情にあまり波をたたせぬこと)もお肌を美しくするのに必要な条件だと言えます。
更に不眠の後には、お肌の弾力が失われるため、皮膚の活気がなくなります。
皮膚は正に感情・身体の両面(心身)をうつす鏡なんですね。
美しいお肌を保つためには、内からの美と健康的な身体が必要だと言えるのはご納得いただけたでしょうか。
根本からのお肌の悩み改善
お察しのとおり、お顔のトラブルは大半がお身体(心身)のトラブルによるものです。
シミ・色ムラ・吹き出物・ニキビ跡を治すためには全体的な治療が基本になります。
その上で具体的なお悩みに対する鍼灸治療を施していくことにより、美の再生を促すことができるのではないでしょうか。
根本からお肌悩みを改善したい方に、鍼灸治療をおススメいたします。
お化粧品に頼らず、ご自身の備えているチカラを信じ、鍼灸治療を受けてみてはいかがでしょうか?