「不妊治療や妊活に鍼灸は効果的なのか?」また、「妊娠中に鍼灸を受けて悪影響はないのか。」とよく質問を受けます。
今回はこのような質問にお答えしながら、また鍼灸が妊婦さんや妊活、不妊治療にどのように関わっていけるのかを書いていきたいと思います。
不妊治療や妊活に鍼灸治療は効果的か
まず、「不妊治療や妊活に鍼灸治療は効果的か」という質問に対して、答えは効果的!です。
なぜ効果的なのかは下でご説明していきます。
今は、不妊治療専門の鍼灸院があるほど、鍼灸は不妊治療に向いているとされています。
産婦人科で、人工授精・体外受精などを受けても妊娠に繋がりにくい方も、鍼灸治療を受けた結果妊娠できたという方多くいらっしゃるそうです。
不妊治療や妊活に鍼灸治療が効果的な理由
では、効果的な理由について説明していきたいと思います。
妊活や不妊治療にまず大事なことは、女性の身体づくりです。
(不妊の原因は女性と男性半々であると言われていますが、当院には女性の方が多く来院されているので、女性の身体づくりについて書いていきます。)
お腹の中に赤ちゃんを迎えるための準備をする必要があるのですが、現代の女性はその身体づくりができていない人が多いと言われています。
鍼灸治療によってその身体づくりをお手伝いし、妊娠しやすい身体にしていきます。
赤ちゃんを迎えるために必要な準備とは
次に赤ちゃんを迎えるために必要な準備はどのようなものかです。
「卵巣年齢」を上げないこと
まず、一つ目は「卵巣年齢」を上げないことです。
○○年齢など、よく聞くと思います。
肌年齢、脳年齢、さまざまな種類があります。
そんな○○年齢、実は卵巣や子宮にも存在しているのです。
卵巣・子宮年齢も、実年齢と同じというわけではなく、かなり個人差があります。
卵巣年齢が若いと妊娠しやすく、妊娠に繋がりにくいとされる年齢の方でも、妊娠できる可能性が高まります。
逆に卵巣年齢が高いと妊娠しにくく、たとえ年齢が若い方でも妊娠率が低下してしまう場合もあります。
また、不妊治療を行ったとしても排卵誘発剤などの薬剤や注射に対する反応が出にくくなってしまい、卵胞ができにくい、成功率が低い、なんて方もいます。
さらに怖い事をいうようですが、若くして閉経してしまう早発閉経や若年性更年期となる可能性も高くなってしまいます。
卵巣年齢とは「卵胞の数」のことで、卵胞がどれくらい残っているかを表しています。
卵巣年齢を正確にチェックするには、「AMH(抗ミューラー管ホルモン)」の測定を病院で行う必要があります。
AMH値は、高いと卵胞が多く残っており、低いと少なくなっている状態です。
ですが、高ければ妊娠しやすいというわけではなく、高すぎると「多嚢胞性卵巣症候群」の可能性があり、不妊の原因に繋がっている可能性もあります。
※AMHの検査は自費診療のため、費用は7,000円~1万円程度です。
「体温を上げる」「血の量を増やす、流れを良くする」こと
赤ちゃんを迎えるための準備、二つ目は「体温を上げる」「血の量を増やす、流れを良くする」ことです。
現代の女性は体が冷えている人が多く、東洋医学的にも女性は“陰“に属するので、男性に比べて冷えやすいと言われています。
人間の体が最も健康に働くのは36.5℃~37.0℃といわれています。
しかし、一年中使用されている冷暖房の影響で体温調節機能が鈍くなったり、本来夏にしか食べない“身体を冷やす“食品を冬にも食べたり、運動不足で筋力が低下してくると、体温が下がってきます。
いわゆる「低体温」といわれる状態です。
寒さで体温が下がると、生命維持のために重要な臓器へ優先的に血液をまわすことによって血液が身体の末端までまわらなくなります。
「低体温」とは身体の中が常にこのような状態になっていることを指し、「冷え症」による手足の冷えは、必要な血液が手足にまでまわらなくなった結果です。
血液は全身に酸素、栄養分を運び、逆に不要になった老廃物を回収する役割があります。
とすると、カラダが冷えて血行が悪くなる=必要な血液(酸素、栄養分)が行き渡らない血液の栄養失調状態になる、ということがわかりますね。
そして免疫力が低下し不調や病気にかかりやすくなってしまうのです。
特に、女性の場合は下腹部(骨盤内)に子宮、卵巣といった重要な臓器があり、子宮や卵巣はもともと血管が細くなっているため血流が悪くなりやすい場所です。
血行が悪く冷えてしまうと丈夫な卵子が育ちにくくなることや、排卵リズムが乱れるなどの症状が現れやすくなります。
「腎虚治療」を行うこと
赤ちゃんを迎えるための準備三つめは「腎虚治療」を行うこと。
※腎虚症についてはコチラのブログに詳しく書いてありますので、ぜひ読んでみてください!
『今回はこれからやってくる「冬」と関わりの深い、「腎」のお話。』
東洋医学的考えでは、腎=エネルギーをためておく場所と言われます。
そのため何らかの原因により腎の働きが弱まると身体が“エネルギー不足”の状態に陥ります。
エネルギー不足になってしまうと、自分一人の身体を支えることが精一杯になり、赤ちゃんの分までエネルギーを回すことができません。
また、腎は生殖機能にも関わっているため、働きが悪くなると生殖機能も衰え不妊に繋がる可能性が高まります。
赤ちゃんを迎えるための準備セルフチェック
今挙げてきた三つの準備が自分に必要か、セルフチェックをしてみましょう。
- 生理周期が不安定。
- 生理痛が酷い。
- 最近、経血の量が減ってきた。
- 生理周期がだんだん短くなってきた・または長くなってきた。
- 日常的にストレスが多い環境にいる。
- 過去にダイエットやストレスなどで急激にやせたことがある。
- BMI値が18以下・または25以上。
- 手先指先、腰やお腹周りが良く冷える。
- 煙草を吸う。
- 肌のハリがない、シワが気になる。
- 髪の毛のツヤ、コシ、ボリュームがなくなってきた。
- 白髪が増えた。
- 慢性的に不規則な生活をしている。
- 週に3日以上、外食をしている。
- コレステロール値や中性脂肪値がかなり高い・もしくは低い。
- 足腰が重だるく感じる。
- 爪の下の皮膚が薄い紫色をしている・指の関節が茶色っぽい・親指の手のひら側の付け根の血管が青く目立つ
- 爪に縦筋がある・爪が薄くて折れやすい・爪の下の皮膚が白っぽい
いかがでしょうか?
3つ以上当てはまる方は身体が妊娠する準備ができていない可能性が高くなっています。
今のチェック項目の症状の改善、三つの準備を手助けするために、鍼灸治療を試してみてはいかがでしょうか。
問診・脈診・腹診などを行い、その人の体質に合わせて経穴(ツボ)を決め、鍼灸によって体質を改善していく。
それにより、卵巣年齢が高くなってしまうのを食い止め、また腎虚であった場合は腎虚治療も行えます。
また、他のブログ内容でもよく出てきますが、鍼灸は血流改善をするのには最適な治療方法なのです。
全身に鍼を打ち、お灸をすることで筋肉をゆるめ血液の流れを良くすることで、冷えの改善、また子宮や卵巣に多く血液を送ることができるようになります。
カラダキュアでは不妊治療自体は行っていませんが、妊娠をするお手伝いをすることができますので、ぜひスタッフにご相談ください。
妊娠中に鍼灸治療を受けても悪影響はないのか?
最後に、「妊娠中に鍼灸治療を受けても悪影響はないのか?」というご質問にお答えします。
結論から申し上げますと、基本的に問題ありません!
施術する上でいくつか留意すべき点はありますが
- 妊娠3カ月以上で
- 母子ともに安定した状態
であれば鍼灸治療は妊婦さんでも出来ます。
※妊娠前から当院にて鍼灸治療を受けていた方は、3か月より前からでも治療が行えます。
妊娠中に鍼灸治療を受けることで、悪阻の軽減・安産・逆子の改善・肩こり、背中、腰、臀部の痛み軽減・脚の疲れ、むくみの軽減・全体的な疲労感の改善・体調管理などの効果が見込めます。
特に悪阻や、逆子に関してはお灸がとても向いていると言われています。
妊娠期間だからと鍼灸治療を控えていた方、またなかなか一歩踏み出せなかった方がいらっしゃいましたら婦人科の先生にご相談の上、鍼灸治療でリフレッシュしてみてはいかがでしょうか♪
美容鍼灸サロン カラダキュアは「真の美しさは健康から」をモットーに鍼灸施術を行っています。