日々、女性のお顔を触っている私たちが「この人のお肌キレイだな」と思うのは、お肌の色、ツヤ、キメの細かさ、そしてハリがあるなどの条件がそろっているお肌に出会った時です。
肌の色、ツヤ、キメ、ハリを観察するとき、私たちはその下にあるお肌の環境を見ています。
例えば、肌色は血行、ツヤは皮脂と水分のバランス、キメは毛穴やターンオーバー、ハリは細胞(タンパク質)や全身の栄養状態といった具合です。
キレイなお肌でも吹き出物が出来てしまうことはありますが、その場合はホルモンバランスや生活習慣、食生活の変化などを確認します。
中でも、「ハリ」は色やツヤ、キメと違い“塗って”カバーすることのできないモノ。
ハリが失われるとお顔に陰影ができやすく、暗く見えたり不健康に見えたりしがちです。
若く見せたいわけではないけれど、実年齢より老けて見えたり、疲れて見えたりしてしまうのは避けたいところですよね。
今回はごまかしの効かない「ハリ」について一緒にお勉強していきましょう。
ハリの正体とは?
キレイで健康なお肌の条件として、ハリ、ツヤのある肌とよく言いますが、皆さんは「ハリ」がどのようなものか説明できますでしょうか。
肌のハリとはコラーゲンやエラスチンなどのタンパク質により肌細胞がきっちり支えられ、弾力が保たれている状態のことです。
ハリがどのようなものかを説明するには、まずはコラーゲンとエラスチンについて知っておく必要があります。
コラーゲン
コラーゲンとはたんぱく質の一種で、主に皮膚、骨、血管などに存在しており、人体を構成するうえでは欠かせない物質です。
人体のタンパク質のうち約30%はコラーゲンです。
肌においてコラーゲンは真皮層に存在しますが、その真皮層に存在するたんぱく質の内70%以上をコラーゲンが占めており、網目のように張り巡らせて肌の弾力を保っています。
コラーゲンにはいくつもの種類がありますが、肌のハリや弾力に関わるのはⅠ型、Ⅲ型と言われています。
エラスチン
エラスチンとはコラーゲンと同じくたんぱく質の一種で、コラーゲンを束ね、より強い弾力を組織にもたらします。
伸び縮みする性質から肌はもちろん、血管、肺、靭帯、子宮など、伸縮を必要とする部分に多く含まれています。
このエラスチンもやはり肌においては真皮層に存在しており(約2%程度の割合)、肌の弾力を保つのに役立っています。
コラーゲンとエラスチンの持つ弾力性と伸縮性が肌の「ハリ」の正体と言えます。
ハリが失われる原因
では、なぜハリを保つことが難しいのでしょうか。
ハリが失われる原因=コラーゲンやエラスチンが減少していくことです。
コラーゲンやエラスチンが変性、減少してしまう主な理由を二つ挙げてみました。
糖化
コラーゲンやエラスチンなどのタンパク質は、エネルギー源として代謝されなかった体内の余分な糖と結合する性質をもっています。
これを糖化といいます。
糖化は「身体のサビ」とも言われており、この糖化によりコラーゲンやエラスチンは弾力性と伸縮性を失い、お肌のハリも失われてしまいます。
糖化は老化の進行を早めますので、他にもシワやくすみ、たるみなどの原因にもなります。
分解酵素の生成、活性化
生成されたコラーゲンやエラスチンはいずれコラゲナーゼ、エラスターゼという酵素により分解処理されます。
いつかは分解処理されますが、紫外線にあたり皮膚が炎症を起こすと、この分解酵素は活性化され、コラーゲン、エラスチンの分解速度が早まってしまいます。
また加齢によっても分解酵素の生成は促進され、年齢とともにコラーゲンやエラスチンの生成量よりもコラゲナーゼ、エラスターゼの生成速度が上回ってしまい、お肌のハリが保てなくなる原因になります。
コラーゲン、エラスチンの増やし方
紫外線や加齢により、どんどん分解されてしまうコラーゲンやエラスチン、増やす方法はあるのでしょうか。
コラーゲンが含まれている食物を摂っても、コラーゲンとしてそのままお肌に届くわけではありません。
コラーゲンは消化酵素の働きによりアミノ酸として小腸で吸収されます。
その後は身体のあちらこちらに散らばり、たんぱく質合成の材料となります。
また皮膚に塗ってもほぼ吸収はされません。
低分子コラーゲンでも皮膚から吸収される量はごくわずかと言われています。
「コラーゲンたっぷり」「コラーゲン○○mg配合」という言葉は私自身とても魅力的に感じるのですが、残念ながら食べても塗ってもお肌にはそのままは届かないということです。
ただし、身体を構成するうえでとても重要なたんぱく質(コラーゲン、エラスチンを含む)の原料にはなりますので、食物として摂ることは身体にとっては良いことです。
コラーゲンを増やす方法は、一つは注射などで皮膚内に直接注入すること、そしてもう一つは「線維芽細胞を増やして自分で作り出すチカラを強化すること」です。
線維芽細胞とはお肌の元の細胞のこと。
この線維芽細胞がコラーゲンやエラスチンといったたんぱく質やヒアルロン酸を作り出すという役目を担っています。
では、その線維芽細胞はどう増やせば良いのでしょうか。
美容鍼で増やすコラーゲンとエラスチン
線維芽細胞を増やす事は、美容鍼がもっとも得意とするところです。
真皮層に微細な傷をつけ、それを身体が修復しようとする過程で線維芽細胞が増え、質の良いコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを自ら活発に作り出すチカラを強化します。
一回の施術でもキズを修復するための反応は起こりますが、繰り返し継続して行っていくことで、この「自分で作り出すチカラ」はどんどん強くなっていき、結果、良質なコラーゲンやエラスチンが増え、お肌のハリを保つことができます。
コラーゲン、エラスチンを増やす食べ物
コラーゲンを直接食べてもそのままお肌には届かないことは先程もお伝えしましたが、コラーゲンやエラスチンを作り出すために必要な食べ物はあります。
美容鍼の効果も上がりやすくなりますので、ぜひ積極的に摂っていきましょう。
たんぱく質
コラーゲンもたんぱく質の一種ですので、もちろん欠かせません。
- 肉類(豚肉、牛肉、鶏肉)
- 魚類、卵、乳製品、大豆製品など
できれば肉、魚でしっかり摂りたいところですが、忙しい時や食欲がない時などは、大豆製品や乳製品は比較的摂取しやすいかもしれません。
ビタミンC
やはりビタミンCは必要です。
美肌作りに良いというのは皆さんご存知だと思いますが、ビタミンCはコラーゲンの生成でも必要不可欠な物質です。
代表的な果物は大体においてビタミンが豊富ですが、「果物は面倒くさいな…」という方には、代替策としてアセロラドリンクや青汁、スムージーなど、飲みもので摂るという方法もあります。
亜鉛
亜鉛はコラーゲンやエラスチン(たんぱく質)の働きを活発にすると言われています。
- 牡蠣、うなぎ、豆・ナッツ類、卵、レバーなど
ナッツ類はおやつとしても手軽に摂取できますね。
むくみやすい方、普段から塩分が多めの方は素焼きのものを選ぶようにしましょう。
美容鍼、食べ物、睡眠、紫外線
年齢とともに体内で作られるコラーゲン、エラスチン量は減少します。
それとともにコラーゲンを分解する酵素の量は増えていきます。
そのままにしておくとお肌のハリは簡単に失われていってしまいます。
カラダキュアとしてはもちろん美容鍼がおすすめですが、まずは食べ物、 質の良い睡眠をとること、紫外線を防ぐことなど、できることからハリ対策をしてみてはいかがでしょうか。
美容鍼灸サロン カラダキュアは「真の美しさは健康から」をモットーに鍼灸施術を行っています。