新型コロナウイルスなどの影響により、「うつ病」を発症する方が増えてきているというニュースは聞いたことありませんか?
在宅での仕事になり外へ出る機会が激減した方や、コロナウイルスによって職業に変化があった方などに多く発症が見られます。
今回はそんな「うつ病」について、また鍼灸治療は「うつ病」にどのような効果をもたらすのかを書いていきたいと思います。
まず「うつ病」ってどんなもの?
うつ病とは、
- 寝付きが良くない
- 夜中に何回も目が覚めてしまう
- 何もする気が起こらない
- 脱力感が常にある
- 誰とも会いたくない
- 携帯電話にはあまり出たくない
- 朝からやる気が出ない
- 死ぬことを常に考えている
などの症状がでる気分障害のうちの一つです。
気分障害はうつ病と双極性障害に分けられ、抑うつ状態が続いているのか、気分の波(上下)があるのか、しっかり鑑別する必要があります。
※双極性障害は躁状態(気分が上がる状態)とうつ状態を行き来する病気。
「気分の問題で甘えだ!」と言われることが多々あるのですが、うつ病は立派な病気です。
そのため周りの理解がしっかりないと改善までに時間がかかります。
また、原因が無くなれば改善されやすいとも考えられがちですが、うつ病は原因が無くなったとしてもなかなか改善されないという特徴があります。
そのため、長く闘病する必要があるのです。
うつ病の原因とは
ハッキリとした原因が分かっているわけではありませんが、脳から出ている神経伝達物質のセロトニンが関わっているのではないかと言われています。
セロトニンとは、別名「幸せホルモン」と呼ばれており、日光を浴びることや一定のリズムで行う運動、呼吸法などによって脳から分泌され、精神状態を安定させ脳の活動を活発にさせる役割を持っています。
このセロトニンの分泌が減ってしまうことにより、うつ病を発症しやすくなると考えられています。
このような理由から、今の自粛期間によって、日光を浴びる時間の減少、また運動不足が発生し、うつ病の発症が多くみられるのです。
また季節性のうつ病もあり、日照時間の減少によって起こる「冬季うつ病」や梅雨時期にもうつ病に陥りやすくなります。
春は環境の変化により精神状態が乱れてうつ病を発症してしまうケースも多くみられます。
うつ病の治療法について
うつ病の治療には、まず原因から遠ざかる必要があります。
仕事であれば仕事を休む、学校であれば学校を休むなど。
そしてしっかり休養を取る必要があります。
薬物療法も同時に行い、“抗うつ剤”などを服用し状態を安定させていきます。
うつの状態が改善され始めてからカウンセリングなどを行い、さらなる改善、社会復帰を目指していきます。
上記の通り、うつ病の治療には長い時間を要し、患者さん本人も長くつらい状態が続くことになります。
そんな時に、検討していただきたいのが「鍼灸治療」です。
東洋医学では「心身一如(しんしんいちにょ)」という考えがあり、心病めば身体病み、身体病めば心病むという考えになります。
みなさんも感じたことあると思いますが、憂鬱な時体調が優れない、どこか痛い場所があると落ち込み気味になる、こういった状態が心身一如です。
うつ病にあてはめてみると、心が落ち込んでいるため、身体にいろいろな不調が出てくるようになります。
気分が落ちると自然に身体が前のめりになり背中が丸まります。
そうすると、背中の筋肉や胸周囲の筋肉が緊張し、背部痛や胸部痛、呼吸のしづらさなどの症状が現れます。
呼吸がしづらく、浅くなることで体内の酸素が少なくなり、痛みを感じやすくなるとも言われます。
また、うつ病発症時には“自律神経”も乱れやすく、
- 不眠
- 消化不良
- 食欲低下
- 動悸
- 排便障害(便秘または下痢)
などの自律神経症状も見られます。
鍼灸での治療方法について
鍼灸治療には、様々な効果が見込めます。
まず、緊張してしまった筋肉をほぐして姿勢を改善させる。
姿勢が前のめりで顔が下に向いたままではなかなか気分を上げることはできないため、姿勢を改善させる。
また、緊張がとれ少し痛みが軽減されることでも気分の落ち込みの解消が見込めます。
次に、自律神経症状を改善させる。
鍼灸治療は、自律神経を整えることが得意な治療方法です。
高ぶってしまった交感神経を抑えるため、鍼灸を行うことで副交感神経を優位状態にさせて、
- 睡眠をとりやすくなる
- 便秘下痢の改善
- 内臓機能を高める
ことができます。
治療する部位としては、頭部と仙骨部を刺激していきます。
副交感神経は、頭部と仙骨部から出ているため、頭部と仙骨部に鍼やお灸で刺激を与え、副交感神経の働きを高めます。
更に、ツボを使用し症状緩和を促します。
うつ病には、「百会(ひゃくえ)」「合谷(ごうこく)」「内関(ないかん)」「神門(しんもん)」「膈兪(かくゆ)」などのツボが効果的と言われています。
百会は頭部にあるツボ、合谷・内関・神門は手や腕にあるツボ、膈兪は背部にあるツボであり、それぞれ
- 精神状態を安定させる
- 心を落ち着かせる
- 睡眠に入りやすくする
- 呼吸がしやすくなる
などの効果が期待できます。
他にも、治療を行う前に問診・脈診を行い患者さんの状態に合わせてツボを導き出していきます。
うつ病と関わりやすいのは、東洋医学的に「肝」「心」「脾」と言われており、患者さんのタイプをしっかり鑑別していく必要があります。
うつ病を予防しよう!
うつ病に効果のある食材
特にビタミンB1を含む食材が大切です。
ベーコン・生ハム・豚肉・豚ヒレ肉・明太子・鯉・鯛・筋子・ボンレスハム・焼豚・大根ぬか漬け・かも・グリンピース・粒入りマスタード・牛肉・たらこ など
日常生活で気を付けること
上でも何度か書いてきましたが、まず≪日光を浴びること≫がとても重要です。
家でお仕事をしなければならない方は、お昼の時間など少しの空き時間10-15分ほど散歩に出てみてください。
また、リズムを取って行う運動をすることでもセロトニン分泌が促せるため、散歩と組み合わせて行うとより効果があります。
そして、気分が落ち込んでしまったときは自分なりの発散方法や、気分転換を見つけておきましょう!
ツボを触ってみよう
ツボを押す、周りをなでるだけでも効果があるので、届くところで気になる方はやってみてください!
【ツボの場所】
百会
頭頂にあるツボで、両耳の一番高い所を結んだ線と、頭を縦に結んだ線の交わる所にあります。
人によってはへこんでいる場合も。
合谷
手の甲を上にして親指と人差し指の付け根の間にあるツボで押すと圧痛があります。
押して人差し指側にいれてあげるのがコツです。
神門
手のひらを上にして小指側の手首にあるツボ。
膈兪
背部の肩甲骨下角(肩甲骨の下のとがっている部分)の高さで、脊柱(背骨)から左右指2本分のところにあるツボ。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
うつ病は、無理を重ねると悪化してしまい、元に戻るのにも時間がかかります。
辛いと感じている時は無理をせず、お休みを取ってみたり、カウンセリングを受けてみたり、また鍼灸治療に頼るなどしてみてください。
もし今、症状がない方でも家にいる時間が長い方などは特に注意していただき、こまめに散歩するなど心掛けてみてくださいね。
美容鍼灸サロン カラダキュアは「真の美しさは健康から」をモットーに鍼灸施術を行っています。