前回①では、ツボについてと特効穴をご紹介しました。
今回は、『生理痛とPMS』についてのお悩みに、セルフケアで使えるツボをご紹介していきます。
①をまだ読んでない方はコチラからどうぞ。
なお、今回ご紹介するツボの中に前回出てきたツボと重複するものもあります。
予めご了承ください。
月経痛(生理痛)の原因 ~東洋医学~
生理痛の多くは、気と血と水のバランスの崩れや冷えが原因です。
東洋医学には、「不通則痛」という言葉と「不栄則痛」という言葉があります。
「不通則痛」は「通じざれば、すなわち痛む」といい、体内の流れがスムーズでないと、痛みが出現するという意味です。
気と血が体内をスムーズに流れていれば、痛みもなく健康ですが、それらの流れが滞ると、痛みが生じます。
「不栄則痛」は「栄えざれば、すなわち痛む」といい、体にとって必要な気と血が不足すると、痛みが出現するという意味です。
気と血の流れが悪いだけでなく、量が不足することよっても痛みが生じます。
鍼灸では、その流れや過不足を調節していきます。
東洋医学的に生理痛の原因を大きく分ると①気滞や瘀血、②気血両虚、③冷えの3つに分けられます。
① 気滞(気の流れが滞っている状態)
「肝鬱気滞(かんうつきたい)」は、精神的ストレス、緊張、情緒の過度な変化などによって、肝の機能である「疏泄作用(気を巡らす作用)」が低下し、気滞、自律神経の乱れ、生理痛(張ったような痛み)などが現れます。
肝は感情の調節もしているため、憂鬱感、気分の落ち込み、ため息、イライラしたり、怒りやすくなったりと感情の起伏が激しくなることもあります。
「瘀血(おけつ)」は、血の流れが滞る状態のことです。
気滞が続くことで瘀血になる場合などもあります。
生理中、一番出血量の多い時に生理痛が強い方は瘀血の可能性が高いです。
骨盤内の血流が悪くなり生理痛を引き起こします。
② 気血両虚(きけつりょうきょ)
気と血の両方が不足している状態です。
上記の「不栄則痛」にあたり、気と血が何らかの原因により不足することで、生理痛を引き起こします。
原因としては、食生活の乱れ(栄養不足)や過労、脾の機能の低下などです。
脾は、食べ物から栄養を吸収する働きをしていますが、そんな脾の機能が低下すると、栄養が送れず気と血の不足に繋がり、気血両虚となります。
③ 冷え
生理前、生理中の下腹部の冷え、痛み、温めると痛みが軽減し冷えると悪化するのが特徴です。
寒邪(かんじゃ)
夏場の冷房や冬の寒さなどの外から体内に入ってくる外因のことです。
寒邪による生理痛の原因は、お腹周りの冷えだけでなく、寒邪の長い停滞による足の冷えにもあります。
足の冷えが長引くと、寒邪が上に上昇し骨盤周り(子宮)も冷やしてしまうのです。
陽虚(ようきょ)
体の冷えは、寒邪以外にもあり、体の中に存在する、陽気と陰気のバランスが崩れ、「陽虚」になることも原因の一つです。
陽気は体を温める力があり、陰気は体の余分な熱を取り除き冷やす力があります。
その陽気が不足した状態が陽虚です。
今書いた通り、体を温める力が不足するため、体の冷えに繋がります。
ここまで、東洋医学的な考え方の、生理痛やPMSなどが起こる原因を大きく分け、その中に分類されるよく出てくる原因と症状を少しご紹介しましたが、詳しく生理痛と鍼灸について書いてあるブログもございます。
自分の生理痛タイプもチェックできるのでまだの方はぜひコチラも読んでみて下さい。
次は、ツボを紹介していきます。自分はどの原因に近いのか確認した上で、自分にはどのツボが良いのか、と考えながら見てみて下さい。原因は一つではなく組み合わさっている場合もありますので、一つに絞ろうと悩みすぎず、これかなー?といった感じで十分です♩
生理痛に効果的なツボ紹介
※ツボの場所は、教科書通りではなく、わかりやすく書いたものです。
ここで紹介するツボは、生理痛や月経不順、PMSなどの症状に使われるツボで、セルフケアに、ツボ押しやお灸をすえられるツボをピックアップします。
【三陰交】
① のブログでも出てきた婦人科系疾患を始め、万能なツボですね。
(詳しくは『セルフケアで使えるツボ紹介① ~経穴と経絡の効果・特効穴~』のブログへ)
<場所>
内果(足の内くるぶしの骨)から指4本分上で、脛のすぐ
【湧泉】
全身の血流を促進する効果があります。骨盤や子宮へ血液を送ることで栄養を送ることと、老廃物を流してくれます。
<場所>
足の裏にあり、指をギュッと丸めたときに凹むところ
【太衝】
足の冷え解消のツボで、(肝の経脈上にあるツボのため)上記にある肝鬱気滞を含め肝による症状(頭痛、のぼせ、イライラなど)にも効果的です。
<場所>
足の甲にあり、親指と人差し指の骨をたどり合流しているところ
【陰陵泉】
水分代謝を上げるツボですので、生理によるお顔や足のむくみに効果的です。
(生理でない時のむくみにも効果的です。)
<場所>
膝の下あたりにあり、内くるぶし側からすねの内側を指でたどり止まるところ。
【足三里】
コチラも前回の①に出てきた疲労回復などに効く万能なツボですが、全身の血流を促進し生理周期を安定にして、痛みを和らげるなどの効果もあります。
<場所>
膝蓋骨(膝のお皿)のすぐ下の外側のくぼみから、指四本分下の脛の外側(つま先を上げたときに力が入る筋肉上)
【血海】
その名の通り、血液が海のように集まる場所で、血液全般の悩みに効果的です。
月経量の調節や、貧血の予防にも良いと言われています。
血流が良いと髪のツヤも出ますので、健康な髪を作る為にも効果的です。
<場所>
膝蓋骨(膝のお皿)の上内側の角から指3本分上に上がったところ
【関元】
気が集まるところであり、下腹部に血を送る効果があるので、情緒不安定、不眠、冷え、生理痛、PMSに効果的です。
生理前、生理中だけでなく日頃からこのツボを刺激してあげるのがオススメです。
<場所>
おへそから指三本分下のところ
【気海】
疲労によって出る症状に効果的で、「脾」と「腎」に関連の深いツボなので胃腸症状や泌尿器症状などにも効果的です。
もちろん、生理痛や不正出血などの婦人科系疾患にも効果があると言われ、幅広い効果が期待できるツボです。
<場所>
おへそから指二本分下のところ
自分の身体を把握して生理によるお悩みを少しでも楽に
今回は、生理による症状に効果的な、セルフケアで使えるツボをピックアップして簡単にご紹介しました。
痛気持ちよいくらいの力加減で生理1週間前くらいから試してみて下さい。
生理によるお悩み症状には、冷えが原因の一つであることが多いため、今回のツボ刺激は、お灸が1番オススメです。
可能であれば是非お灸でセルフケアしてみて下さい♪
↓お灸についてはコチラのブログをご覧ください。
そして、体を冷やさない事、生理痛でじっとしていたい気持ちになるかもしれませんが、無理のない程度に身体を動かす事や、たんぱく質を意識して摂取することも大切ですのでお忘れなく。
自分の身体を把握し、生理によるお悩みを少しでもなくしていきましょう。
西洋医学では痛みの軽減や、生理痛の予防などにピルや鎮痛剤などを処方されることが多く、薬を飲み、副作用に悩みを持った方や抵抗がある方もいらっしゃると思います。
東洋医学では西洋医学(薬など)に比べると、時間がかかることもありますが、副作用の心配などはありません。
鍼灸の場合は、ツボを刺激して経絡やバランスを整える、自律神経やホルモンバランス調整など根本的な原因である体質の改善に働きかけることが得意です。
カラダキュアでは、脈診、腹診などを行い(コースによってはついておりません)その日の体調に合わせて治療を行っておりますので、分からない事や、不安なことがありましたら、お気軽にご相談ください。
美容鍼灸サロン カラダキュアは「真の美しさは健康から」をモットーに鍼灸施術を行っています。