脈診ってなあに?
病院やクリニックに行くと脈拍を測りますね?
1分間にどれくらい脈拍を打っているか確認しているのです。
およそ1分間に50~100回の脈拍を打っていれば正常とされています。
それより極度に早ければ、『頻脈』といわれ、循環器などの問題をあげられます。
正常よりも遅ければ、『徐脈』といいます。
これもまた病気のサインとなりますので、注意が必要です。
鍼灸院でも脈を診てますね。
はい、脈は診ていますが、脈拍の「早い」「遅い」のみを診ているわけではありません。
鍼灸治療前に脈の状態をチェックします。
脈の状態のチェックのことを脈診と呼びます。
東洋医学(鍼灸治療)は中国で発達したと言われていますが、それまでに幾度となく途絶えそうになっている歴史があります。
今ある東洋医学(中医学の鍼灸治療)は現存する医学書をつなぎ合わせてゆき、出来上がったものであるとも考えられるのです。
日本には6世紀ごろに朝鮮半島から鍼灸治療が伝来したと言われています。
日本は島国ゆえ、独自に鍼灸が発達してゆきました。
そして『脈診』に重きを置いた治療が主流となっていったそうです。
『脈診』を簡単に説明するとすれば、脈の「速さ」「大きさ」「形」「脈を感じる深さ」などを手首6か所で診ていく診察の方法です。
この6か所は『五臓六腑』に配当されています。
東洋医学の『五行論』(肝・心(心包)・脾・肺・腎)と『脈診』の手首の6か所が上手い具合につじつまが合い、『脈診』で『五臓六腑』の変調を確認することになったと言われています。
※『五行論』についての詳しい説明はコチラから
皆さん、脈のイメージとはどのようなものですか?
ある鍼灸師の方は「ボールのようだ」と言っています。
血管の中で脈は上へ下へ動いたり、膨らんだり、縮んだりしているイメージというものが鍼灸師が持つものだと考えてください。
一般的に脈診は親指側の手首付近にあるポコとした骨を中心にします。
その中心に中指を置きます。
人差し指は手首側、薬指は手首から三番目の場所になるように置きます。
中指を配置したら、自然と位置するのが人差し指と薬指になるところでしょう。
左右同じように3指を置くことで、6つの脈を同時に診ることができます。
6つを比較しながら、脈を診ていきます。
基本の脈はコレ!
脈には基本となる6つの代表的な脈の状態があります。
これらは対になっており、相反した状態を表しています。
- 浮/沈
- 遅/数
- 虚/実
<浮>
ふわっと皮膚に触れただけで、脈を感じることができる脈の状態
<沈>
触れただけでは全く感じず、ぐっと深く押し込んだ時にようやく感じる脈の状態
<遅>
遅い脈の状態
<数>
早い脈の状態
<虚>
押せば押すほど、つぶれていく脈の状態
<実>
押せば押すほど、押し返される脈の状態
なぜ手首で脈を診るの?
脈を触れるとこは、手首だけでなく、頚部や鼠径部、足首にも存在します。
ではなぜ手首で脈を診ることになったのでしょうか?
1つに手首の脈が最もよく触れるために、脈診は手首で診るようになりました。
(脈診は手首だけでなく、他の身体の部位でみることも稀にあります。)
2つ目に脈を診る部分です。
脈を診る部分(親指側の場所)は 太陰肺経(たいいんはいけい)が通っています。
太陰肺経(たいいんはいけい)とは五臓六腑の1つで、呼吸器系の働きを持ちます。
粘膜や皮膚に関係し、全身に栄養を届ける力ともなる臓腑です。
五臓六腑はそれぞれ、ツボを有し、それらは電車の路線のように身体を巡っています。
五臓六腑それそれが単独で流れているのではなく、川から海に流れる水の流れと同じように、合流したり、分かれたりして巡っています。
太陰肺経(たいいんはいけい)は始まりの五臓六腑であり、すべてがここに戻ってくるといって過言ではありません。
3つ目に太陰肺経(たいいんはいけい)は人間の身体を三等分すると、真ん中に位置するという考えがあります。
人間の真ん中には脾胃(いわば胃腸)があります。
脾胃は身体のエネルギー(気・血・津液)を作り出すところです。
太陰肺経(たいいんはいけい)は真ん中に位置すると考えられているとするなら、身体のエネルギー(気・血・津液)を作り出すところ(脾胃(人間の真ん中))と深く関わりがあると考えられます。
それゆえ、親指側の手首の脈というのは、身体の状態を知るにはとっても必要な場所であると分かっていただけたかと思います。
脈をチェックしてみよう!
ご自身の脈を毎日診ることで体調を知ることが出来るので、脈をチェックしてみましょう!
まずは親指側の手首に指をあてて、脈を診ましょう。
まずはリズムよく、『とんとんとん』と脈を打っていることを確認します。
当てはまるものにチェック✓
□ ①軽く触れて脈がとれる
□ ②強く押してようやく脈がとれる
□ ③1呼吸に4.5~5回以上の脈をとれる
□ ④1呼吸に4.5~5回以下の脈をとれる
<①軽く触れて脈がとれる>に✓した方
- 軽く触れて、力強い脈の場合は、風邪の初期症状。
身体の表面の部分で、一生懸命に風邪と戦ってます。 - 軽く触れて、消えてしまいそうな弱い脈の場合は、疲労です。
働きすぎや出産で身体のエネルギー(血)を消耗しています。
<②強く押してようやく脈がとれる>に✓した方
- 強く脈を押してようやくとれる脈に力が弱い場合
内臓の冷えや湿気による不調に悩まされる状態です。
<③1呼吸に4.5~5回以上の脈をとれる>に✓した方
- 脈が力強く早くうっている場合、暑さや寒さなどの天候によって引き起こされる発熱が考えられます。
- 脈に力がなく早い脈をうっている場合は、身体の水分が不足している状態です。
多くは精神的なものからくるものと考えられます。
<④1呼吸に4.5~5回以下の脈をとれる>に✓した方
- 脈が遅くて力強い脈を打つ場合は、これから風邪に移行する前兆です。
悪寒の症状が出るかもしれませんね。 - 脈が遅くて力がない脈は、足からの冷えこみだと考えられます。
慢性的な冷えでよく現れ、精神的なものが原因と考えられます。
日々、ご自身の脈を触れることで、「あれ? 今日いつもと違うな?」と感じることがまずセルフ脈診の第一歩です。
是非、健康チェックの1つとしてセルフで脈診をしてみてはいかがでしょうか?
中医学と呼ばれている中国での主流の鍼灸になると「脈診」だけでなく、お腹を診る「腹診」、舌を診る「舌診」、目や顔色、匂いなど様々な身体の状態を診て、カウンセリングをして治療に活かしていきます。
この手法を『四診合算』と呼びます。
カラダキュアでは、「腹診」「脈診」等で、鍼灸治療を施します。
このような東洋医学的な診断による鍼灸治療を是非体験しにいらしてください。
スタッフ一同お待ちしております。
美容鍼灸サロン カラダキュアは「真の美しさは健康から」をモットーに鍼灸施術を行っています。