ツボ紹介①と②に引き続き、今回は睡眠でのお悩みについて書いていきたいと思います。
カラダキュアのブログで何度も出てきていますが、復習のため、ツボ紹介の前に簡単に不眠についてと、東洋医学的な不眠の種類を書いていきます。
不眠と不眠症について・原因
不眠症とは
睡眠時間の長短とは関係なく、目覚めた時のだるさ、疲れ、不快感、寝ても寝ても眠く身体の調子が悪く日常生活に支障をきたしてしまう身体の症状のことを言います。
(時間より質が大切です)
原因は
心の要因(ストレス・心配事や悩み・緊張など)、身体的要因(痛み・かゆみ・頻尿・年齢など)、環境の要因(騒音・明るさ・暑さや寒さ・枕など)や、アルコール、薬、ニコチン、カフェインなどの摂取、運動不足などがあげられます。
ストレス性の不眠(心の要因)は自律神経が深く関わっています。
自律神経は交感神経と副交感神経の2つからなり、生命活動を維持するため、24時間365日休まずバランスを取り合って身体の働き(呼吸、循環、体温調節、消化、排泄など)を調整している神経のことです。
交感神経
仕事やスポーツの時などに心臓の拍動や血圧を高めて、精神活動を活発にする。
主に日中に優位になる。
副交感神経
睡眠、休息をとる時などに働き、心臓の拍動を鎮め、精神活動を休ませる。
主に夜に優位になる。
自律神経は感情や環境の変化に敏感で影響されやすいです。
シーソーのようにバランスを取り合っている交感神経と副交感神経がバラバラになり、身体に不調が出ていることを自律神経失調症といい、不眠もその体の不調症状の一つです。
そして、心と身体の内側から整えていく、緊張をほぐすのが得意な鍼灸治療や、東洋医学の考え方は不眠症(自律神経失調症)の改善にとても適しています。
不眠と不眠症との違いは
『不眠』は、2.3日、もしくは数日何かが気になって眠れない症状のことで、この“何か“が解消されればスッキリ眠れます。
『不眠症』は、眠りたいのに眠れない、まったく寝付けない状態が何週間、何カ月と続き、慢性的に続いている症状のことです。
睡眠についてのブログはコチラ↓をご覧ください。
東洋医学的な不眠の種類・おすすめのツボ
① 身体が重だるい、太りやすい、むくみ、胃のつかえ感などの症状がある、またはその症状が出やすい方で、眠りが浅い、良く目覚めるタイプの方
→痰湿…身体の水分代謝が悪く、水の巡りが悪い状態です。
◎痰湿タイプの方におすすめのツボ 『陰陵泉』・『豊隆』
② 怒りっぽい、イライラする、顔が赤いなどの症状がある、または出やすい方
→実熱…常に熱っぽく、オーバーヒート気味、脈が速い状態です。
◎実熱タイプの方におすすめのツボ 『太衝』・『内庭』
③いつも倦怠感がある、疲れがとれない、息切れ、おどおどしやすい、内臓が下垂しやすいタイプ
→気虚…気が不足し、身体に力がない状態です。
◎気虚タイプの方におすすめのツボ 『足三里』・『関元』
④全身に酸素と栄養が行き渡らないため、貧血、顔色がさえない、しびれ、疲れ、めまいが出やすい方
→血虚…血が不足している状態です。
◎血虚タイプの方におすすめのツボ 『三陰交』・『血海』
⑤血圧が高くなったり、夜になると手足がほてる、少し眠ると目が覚めたり、寝汗をかきやすいタイプの方
→陰虚…全身の水分が足りない状態です。
◎陰虚タイプの方におすすめのツボ 『照海』・『太渓』
大きく原因分けしたのを書き出してみました。
ツボ紹介②生理痛のブログにも書きましたが、原因が一つではないことも多くありますので、自分の不眠の原因であろうものを上げてみて、不眠解消に役立ててください♪
原因のところで書いた上記の、心の要因(ストレス・心配事や悩み・緊張など)、身体的要因(痛み・かゆみ・頻尿・年齢など)、環境の要因(騒音・明るさ・暑さや寒さ・枕など)や、アルコール、薬、ニコチン、カフェインなどの摂取、運動不足の中で、簡単に取り除くことが難しいものもあるかと思いますが、睡眠の質を上げて、今あるお悩みをなくし、お身体を健康にするために少しずつ意識して、一つでも思い当たる原因をなくしていきましょう。
睡眠不足はお肌の天敵でもあります。
お肌の再生サイクルであるターンオーバーは睡眠時に行われているため、睡眠時間が少ない、もしくは睡眠の質が悪ければターンオーバーに乱れが起こります。
不眠による症状(疲労感、眠気など)だなと実感できるお身体の症状以外でも、肌荒れ、吹き出物、クマ、くすみなど、実は不眠によって出ていたお身体のサインということもあるので、良質な睡眠がとれるようになれば、お顔のお悩みまで改善するかもしれませんね!
ツボ紹介
※①と②でもご紹介したツボもあり、場所は、教科書通りではなく、分かりやすく書いたものです。効果や適応症状については、①と②で出てきていないツボだけ書いていきます。
『陰陵泉』
<場所>
膝の下あたりにあり、内くるぶし側からすねの内側を指でたどり止まるところ
『豊隆』
湿邪を取り除き余計な水分の排出(むくみの改善)する働きがあり、痰湿が原因となる頭痛、不眠、からだの重だるさなどや消化器系症状に効果的です。
<場所>
膝蓋骨(膝のお皿)の外下方のくぼみと外くるぶしの間、脛骨から外側に手をすべらせて筋肉(つま先を上げたときに力が入るところ)のおりたところ。
脛骨から約指2,3本外側あたり
『太渓』
<場所>
内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ
『太衝』
<場所>
足の甲にあり、親指と人差し指の骨をたどり合流しているところ
『内庭』
熱を取り除く働きがあり(実熱による不眠にも)、目の充血や歯の痛み、過食、胃痛などに効果的です。
<場所>
足の人差し指と中指の間、水かき後縁(足の甲側)で皮膚の色が変わる境目あたり
『足三里』
<場所>
膝蓋骨(膝のお皿)のすぐ下の外側のくぼみから、指4本分下の脛の外側(つま先を上げたときに力が入る筋肉上)
『関元』
<場所>
おへそから指三本分下のところ
『三陰交』
<場所>
内果(足の内くるぶしの骨)から指4本分上で、脛のすぐキワ
『血海』
<場所>
膝蓋骨(膝のお皿)の上内側の角から指3本分上に上がったところ
『照海』
ホルモンバランスを整える、不眠、婦人科系疾患にも効果的で、冷え改善、腎の機能を助ける、気を補うなどの働きもあります。
<場所>
内くるぶしのすぐ下のくぼみ
ツボ刺激量の調整で効果アップ!
東洋医学では、「虚」は足りないものを補う「補法」、「実」は多く滞ってしまっているものを流す、取り除く「瀉法」という考え方を使い治療します。
ツボ押しの場合、補法は弱い刺激、瀉法は強めの刺激で行うという事です。
【補法=優しめに押す】と【瀉法=痛気持ちよいくらいか、グリグリと少し強めに押す】を意識して行えば効果もアップしますので実践してみて下さい。
そして、1日に3~5回ほどで良いので(最初は2,3回から始めて様子をみて増やしていくのがオススメ)、瀉法だからと強く押しすぎないようにして、やりすぎには注意してくださいね。
今回は、より効果をアップさせられるよう、補瀉法について書きましたので、①と②のツボ押しでも是非実践して、セルフケアしてみてください♪
美容鍼灸サロン カラダキュアは「真の美しさは健康から」をモットーに鍼灸施術を行っています。