春眠暁を覚えず…
有名な中国の詩人、孟浩然の「春暁」の冒頭文ですね。
学生時代に暗記させられた人も多いのではないでしょうか。
「春は気持ちよく眠れるので、朝が来たことに気が付かず、つい寝過ごしてしまう」というような意味ですが、実際に、冬よりも少し気温の上がる春の方が脳の深部温度が下がりやすくなり、深い眠りに入りやすいようです。
ですが、春は「五月病」に代表されるように、忙しさや季節の変わり目、環境の変化などから「眠れない」とおっしゃる方も増える季節です。
そもそも何のために眠る時間が必要なのでしょうか。
眠りは回復の魔法
人間だけでなく、あらゆる動物が眠るのは、もちろん回復の為です。
心身どちらの回復にも睡眠は重要ですが、特に脳の回復のためには睡眠は絶対かつ必要不可欠とされています。
- 脳の疲労回復
- 記憶の定着
- 情報の整理
などが睡眠による主な脳の回復効果であると言われています。
一夜漬けの試験勉強が結局あまり効果的でないのはこのためですね。
また、眠っている間に成長ホルモンが分泌されることで、傷ついた細胞の修復や、免疫物質の生成、活性化が行われ、身体的な疲労回復や老化防止、細菌、ウイルスなどに対して抵抗力が強くなることがわかっています。
ゴールデンタイムはいつ?
この成長ホルモンの分泌が盛んになる時間帯の事を「ゴールデンタイム」と言ったりしますが、「睡眠のゴールデンタイムは22:00~2:00」「22:00~2:00は寝なくては!」と未だに思っている方はいらっしゃいませんか。
実は、就寝が何時でも、深い睡眠に入ることができれば成長ホルモンは分泌されます。
成長ホルモンの分泌が盛んになるのは、就寝後最初のノンレム睡眠時と言われています。
理想的な入眠が出来たとして、だいたい就寝から90分後ぐらいです。
もちろん、毎日規則正しい就寝時間であったほうが理想的な入眠、睡眠に繋がりますが、深い睡眠が摂れるのであれば、22:00~2:00にこだわる必要はないようです。
就寝時間よりも、眠りが浅い、睡眠時間が細切れなど、睡眠の質があまり良くない人は眠りから得られる回復が弱いことになります。
深い睡眠から回復を得るには
ここ数年よく言われる「セロトニン」がポイントです。
セロトニンはご存知のように「幸せホルモン」とも呼ばれ、脳の働きを活発化させたり、精神面を安定させたりする働きがあります。
セロトニンは睡眠・覚醒リズムやホルモン分泌などを調整しているメラトニンの原料の一つ。
日中にセロトニンの分泌を促しておくと、このセロトニンを材料として夜に睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンの分泌が活性化しやすくなります。
セロトニンの分泌を活発化させる一番簡単な方法は日光を浴びることですが、筋肉運動でも分泌が活発化されます。
一定のリズムで筋収縮を20~30分させることが大切なので、屋外で日光を浴びながらできるウォーキング、サイクリングなどがおすすめです。
「春眠暁を覚えず…」は春の心地よい日光を浴び、セロトニンが増えたこともあるかもしれませんね。
カラダキュアでできること
鍼灸もまた睡眠のリズムを整え、回復力を上げる施術が得意です。
カラダキュアの身体の鍼施術は、その方の体質に合わせた経穴を選び、鍼を打ってそのまま10分から15分程置鍼といって温めながらゆっくりしていただきます。
そうすることで、自己回復力を上げる副交感神経が優位になります。心身のリラックス効果もあり、施術中からウトウトされる方も多くいらっしゃいます。
世界で一番睡眠時間が少ない日本女性。
睡眠の質だけでなく、この季節に心身の疲労を感じることがある方はぜひご相談ください。