今回は頭痛でのお悩みについて書いていきたいと思います。
西洋医学的な頭痛とその種類・原因
頭痛とは、脳そのものが痛むわけではなく、頭部で痛みを感じるのは、骨膜、太い血管、硬膜、頭皮、頭を覆う筋肉、脳神経、上部頸髄神経などです。
これらの組織が圧迫されたり、引っ張られたり、炎症を起こしたりした時、それが痛みとなって現れた結果を「頭痛」と総称しています。
痛みの発生状況や痛みの種類などにより、三つの種類に分けられます。
①偏頭痛
こめかみから目にかけて片側を中心に、時には両側や後頭部までも脈打つように痛みます。
原因はストレス、寝過ぎや寝不足、女性ホルモンのバランス、天候や気圧の変化、空腹、肩こり、アルコールなど様々です。
②緊張型頭痛
両側の後頭部から首にかけて、重苦しい感じや、締めつけられているような圧迫感が生じます。
ほぼ毎日起こるもの、時々起こるものがあります。
原因は、同じ姿勢を取り続けるなどの身体的ストレスや環境の変化による精神的ストレスなどがあります。
③群発性頭痛
頭痛のなかでも痛みの強いものの一つ。
片方の目の周りがひどく痛み、その痛みは「目の奥をえぐられるような激しさ」と表現されるほどです。
原因はまだわかっておらず、夜間、睡眠中に多い頭痛だといわれています。
東洋医学的な頭痛の種類・おすすめのツボ
①風寒による頭痛
冬や冷房で冷えたり、雨に濡れたり、汗をかいた後に冷えるなどで身体が冷え、頭を巡る気や血の流れが滞り頭痛になります。
<寒がり、末端の冷え、汗が出にくい、筋肉がひきつれるタイプ>
◎おすすめのツボ『合谷』・『内庭』
②風熱による頭痛
熱には炎上性(上へ向かう)で気や血の流れが頭に上がりすぎて頭痛になります。
<身体がほてる、顔が赤くなる、脈が速くなる、喉が渇くタイプ>
◎おすすめのツボ『太衝』・『合谷』
③風湿による頭痛
湿気の多い梅雨時期や、雨に濡れるなどで身体に湿が溜まり、頭に気や血が巡れず頭痛になります。
<身体が重だるい、雨の日は体調が優れない、目やにが多い、足がよくむくむタイプ>
◎おすすめのツボ『豊隆』・『足三里』
④肝陽亢進による頭痛
身体の中の陰と陽のバランスが崩れ、気や血が頭にのぼりすぎて頭痛になります。
<めまい、耳鳴り、目が赤くなる、のぼせる、寝汗をかくタイプ>
◎おすすめのツボ『復溜』・『三陰交』
⑤痰濁による頭痛
水分の摂りすぎや梅雨時期、雨に濡れるなどが原因で、身体に水分が余り、滞ることで気や血を頭に巡らせることができず頭痛になります。
<頭がぼんやりする、むくみ、頭がグルグル回るめまい、目がかすむタイプ>
◎おすすめのツボ『豊隆』・『足三里』
⑥瘀血による頭痛
身体が冷える、巡る血が少ない、身体が雨に濡れるなどで血の流れが悪くなり、頭に昇りきらず頭痛になります。
<刺すような痛み、舌が紫で暗くなる、いつも頭痛の場所が一定のタイプ>
◎おすすめのツボ『三陰交』・『血海』
⑦腎虚による頭痛
食生活の乱れや過労、性生活の乱れ、などで精(生命活動を支える活力の元)が減り、脳を十分に滋養できず頭痛になります。
<視力の低下、耳鳴り、難聴、倦怠感、もの忘れが気になるタイプ>
◎おすすめのツボ『太渓』・『三陰交』
⑧気血両虚による頭痛
食べ物の摂取不足や過労などで気が減り頭に昇らず、血が減ることで頭を栄養できず頭痛になります。
<倦怠感、食欲が出ない、めまい、疲れやすいタイプ>
◎おすすめのツボ『足三里』・『百会』・『三陰交』・『血海』
ツボ紹介
※①~③でもご紹介したツボもあり、場所は、教科書通りではなく、分かりやすく書いたものです。
効果や適応症状については、①~③で出てきていないツボだけ書いていきます。
【合谷】
<場所>
手の甲で、親指と人差し指の骨をたどって止まる(骨が合流する)ところ。
【内庭】
<場所>
足の人差し指と中指の間、水かき後縁(足の甲側)で皮膚の色が変わる境目あたり。
【太衝】
<場所>
足の甲にあり、親指と人差し指の骨をたどり合流しているところ。
【豊隆】
<場所>
膝蓋骨(膝のお皿)の外下方のくぼみと外くるぶしの間、脛骨から外側に手をすべらせて筋肉(つま先を上げたときに力が入るところ)のおりたところ。
脛骨から約指2,3本外側あたり。
【足三里】
<場所>
膝蓋骨(膝のお皿)のすぐ下の外側のくぼみから、指四本分下の脛の外側(つま先を上げたときに力が入る筋肉上)。
【復溜】
<効果>
足のむくみや寝汗、腰痛に効きます。
アキレス腱の近くにある為、アキレス腱の痛みがある時に、よく使われるツボです。
<場所>
内くるぶしからアキレス腱のキワに沿って、指三本分上がったところ。
【三陰交】
<場所>
内果(足の内くるぶしの骨)から指4本分上で、脛のすぐ。
【血海】
<場所>
膝蓋骨(膝のお皿)の上内側の角から指3本分上に上がったところ。
【太渓】
<場所>
内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ。
【百会】
<場所>
頭頂部で両耳を結んだラインの真ん中。
最後に
今回は、頭痛に効果的な、セルフケアで使えるツボをピックアップして簡単にご紹介しました。
ご自身の体質を把握し、ツボ押しを是非やってみて下さい。
カラダキュアでは、脈診や腹診を行ったり、その日のお身体の状態を診てしっかり問診をして、少しでも症状が良くなるように治療を行っていますので、不安なことや小さなお悩みでも、お気軽にご相談ください。